万象知楽出版BANSHO CHIRAKU PUBLISHING

中国 北京と華北のリアル

万象知楽編集部 / 世界の国のリアル

中国 北京と華北のリアルの表紙

この本について

『中国 北京と華北のリアル』は、架空の登場人物の日常を想像しながら、北京とその周りに広がる華北(北京・天津・河北・山西・山東)の歴史・社会・そこに生きる人びとの暮らしを読む本です。胡同の朝の豆乳の湯気、満員の地下鉄、区役所の窓口、春節の餃子。 この国は「巨大な政治の街」「管理された国民」という像で語られることが多い国です。本書はその像を否定しませんが、そこで終わらせません。大きな国家と長い歴史の重みのもとで、人びとが何を大切にして毎日を生きているか——そこに、同じ重さで目を向けます。 以下は架空の人物です。年齢は二〇二六年を基準にしています。実在の人物や、特定の証言者をもとにした人物ではありません。 王おじさん(六十二歳)、北京の胡同で生まれ育った老北京。若いころから国有工場で働き、いまは年金で暮らしています。妻に先立たれ、四合院の一室に住みます。口癖は「昔はなあ」。鳥かごを提げて豆乳屋に並ぶのが朝の日課です。 李さん(三十四歳)、河南省の農村に生まれ、猛勉強の末に北京の大学を出て、区役所の下級公務員になりました。妻は小学校の教師で、来春小学校に上がる息子がいます。口癖は「規則は規則だから」。学区房(名門校の学区にある高い住宅)に頭を悩ませています。 張姉さん(四十五歳)、河北省の農村の生まれで、北京で家事代行の仕事をして十年あまり。北京の戸籍はなく、娘と息子は故郷の祖父母のもとにいます。口癖は「稼いで、子どもに良い暮らしをさせる」。 暁明(二十二歳)、山東省の農村の出身で、高考を勝ち抜いて北京の大学に通う四年生。一人っ子です。口癖は「まあ、いっか」。就職と進路を前に、内巻(過当競争)と躺平(寝そべり)のあいだで揺れています。 佐々木(四十歳)、日本の商社から北京に派遣された駐在員で、妻と子どもと暮らします。任期は三年の予定。戸惑いだらけの日々を過ごす、読者の分身です。 歴史や統計の説明には巻末に参照資料を掲げ、物語の人物・会話は創作であることを明記しています。終章のあとには、旅行の準備、暮らす・働くための手がかり、実用Q&Aと言葉・マナーの実践編を収めました。 シリーズ「世界の国のリアル」は、土地の歴史と人びとの暮らしを、物語を通してたどる読み物です。

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