万象知楽出版BANSHO CHIRAKU PUBLISHING

アンゴラのリアル

万象知楽編集部 / 世界の国のリアル

アンゴラのリアルの表紙

この本について

『アンゴラのリアル』は、架空の登場人物の日常を想像しながら、アンゴラの歴史・社会・そこに生きる人びとの暮らしを読む本です。大西洋に沈む赤い夕陽、腰を寄せて踊るキゾンバの旋律、赤土の高原に立つバオバブ。ルアンダの海沿いの夕暮れから、この本は始まります。 この国は「石油と内戦の国」「地雷の国」として語られることが多い国です。本書はその像を否定しませんが、そこで終わらせません。サハラ以南のアフリカでナイジェリアに次ぐ産油量を持ちながら、独立ののち二十七年に及ぶ内戦を経て、いまは石油だけに頼らない経済を模索している——そのなかで、市場に立つ女たち、土地を取り戻す人びと、世界に音楽を送り出す若者たちが日々を営んでいます。それがこの本の立ち位置です。 以下は架空の人物です。年齢は二〇二六年を基準にしています。実在の人物や、特定の証言者をもとにした人物ではありません。 ジョアナ(二十代なかば)、ルアンダの坂の中腹に暮らし、坂の上のオフィス街で働く若い女性。生まれも育ちもルアンダで、ポルトガル語で育った世代。内戦が終わったあとに育ち、戦争を直接は知らない。スマートフォンと音楽、渋滞のバスのなかで、世界とつながっている。 アヴォ・マテウス(高齢、本人も年齢をはっきり言わない)、内陸の赤い大地の村で畑を耕し、川を知る老人。「アヴォ」は「おじいさん」という呼びかけ。ポルトガルの支配のもとで育ち、独立をめざす時代と、その後の長い戦争を、この土地で生き抜いてきた世代。ときどき、ルアンダに暮らす孫の家を訪ねる。 ドナ・エスペランサ(年配)、ルアンダの市場で、フンジの粉と干し魚を商う女性。「ドナ」は年上の女性への敬称、「エスペランサ」はポルトガル語で「希望」。独立のころはまだ小さく、内戦の時代に若い母親だった世代で、いまは子や孫を束ねる。 カルロス(二十代はじめ)、ルアンダの庶民街ムセケで育った若者。クドゥーロとキゾンバが好きで、都市での仕事と海の向こうへの道のあいだで思案している。家族の故郷は内陸の農村で、その近くには、地雷がまだ残る土地がある。 西村さん(日本人)、石油・エネルギーの縁でアンゴラに通いはじめ、農業や地雷除去の協力の現場にも足を運ぶようになった日本人。外から来た目として、読者に近い立場にいる。年齢は本文では明かされない。 歴史や統計の説明には巻末に参照資料を掲げ、物語の人物・会話は創作であることを明記しています。終章のあとには、旅行の準備、暮らす・働くための手がかり、実用Q&Aと言葉・マナーの実践編を収めました。 シリーズ「世界の国のリアル」は、土地の歴史と人びとの暮らしを、物語を通してたどる読み物です。

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