万象知楽出版BANSHO CHIRAKU PUBLISHING

モザンビークのリアル

万象知楽編集部 / 世界の国のリアル

モザンビークのリアルの表紙

この本について

『モザンビークのリアル』は、架空の登場人物の日常を想像しながら、モザンビークの歴史・社会・そこに生きる人びとの暮らしを読む本です。夜明けのインド洋に戻ってくる小舟、市場に積まれた干し魚と赤い唐辛子、木琴の乾いたさざめき、色鮮やかな一枚の布。 この国は、「貧しい国」「長く戦争のあった国」「援助を受ける国」として語られることの多い国です。本書はその像を否定しませんが、そこで終わらせません。長い海岸線にそって、いくつもの言葉と信仰と音楽を重ねながら、独立戦争と内戦、サイクロンと立て直しの日々を歩んできた——それがこの本の立ち位置です。 案内役の人物と、その会話・心情・個人的な体験・場面描写は創作です。実在する人への取材や聞き取りを再現したものではありません。 登場人物が語る記憶は、実際の体験者の言葉ではありません。人物の意見は、その国の人びと全体を代表するものではなく、歴史的な事実や専門家の見解の代わりにもなりません。 歴史上の出来事、統計、制度などの説明には、本文中の資料番号に対応する参照資料を巻末に掲げています。資料が裏付ける範囲と、物語として描いた部分は区別してお読みください。 本書は、架空の五人の案内役の日々をたどりながら、モザンビークの歴史・文化・社会を物語で読む一冊です。アルマンド(七十代)、ローザ(年齢ははっきりしない、年配の女性)、セリア(二十代半ば)、ジョゼ(二十歳を少し過ぎた)、田川さん(日本人)。 一九六四年に始まった独立戦争、一九七五年の独立、その後のFRELIMO政府とRENAMOの内戦、一九九二年の和平を扱います。ローデシア(現在のジンバブエ)や南アフリカの関わりについては、人権団体の報告と、RENAMO指導者自身の説明が分かれる点を、述べた人と立場を区別して書きます。本書は、誰が、いつ、何をしたかを事実として記し、断罪も美化もしません。犠牲者の数は推計に大きな幅があり、幅のまま示します。 二〇一七年に始まったカーボ・デルガード州の襲撃、ルワンダ軍や南部アフリカ開発共同体(SADC)の関与、沖合の天然ガス開発とその周辺の人権問題は、政府・国連・人権団体・企業がそれぞれ述べたこととして記します。国全体や、特定の集団の像には広げません。 歴史や統計の説明には巻末に参照資料を掲げ、物語の人物・会話は創作であることを明記しています。終章のあとには、旅行の準備、暮らすための手がかり、実用Q&Aと言葉・マナーの実践編を収めました。 シリーズ『世界の国のリアル』は、土地の歴史と人びとの暮らしを、物語を通してたどる読み物です。

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