万象知楽出版BANSHO CHIRAKU PUBLISHING

中国 中原と農村のリアル

万象知楽編集部 / 世界の国のリアル

中国 中原と農村のリアルの表紙

この本について

『中国 中原と農村のリアル』は、架空の登場人物の日常を想像しながら、黄河の中流に広がる中原と、内陸の農村・県城の歴史・社会・そこに生きる人びとの暮らしを読む本です。竈の火で蒸す朝の饅頭、広東の工場の二段ベッド、県城の自習室、そして西安の城壁の上。 中国は、北京や上海の摩天楼、あるいは深圳の工場として語られることの多い国です。本書はその像を否定しませんが、そこで終わらせません。中国で暮らす人の半数を超える人びとは、県や県級市の区域で暮らしています(二〇二〇年の国勢調査)。本書が歩くのは、その大きな部分です。 以下は架空の人物です。年齢は二〇二六年を基準にしています。実在の人物や、特定の証言者をもとにした人物ではありません。 岡田(四十四歳)、日本の大学で地方と農村を研究する研究者。西安の城壁の内側に部屋を借り、河南の村と県城に通い、ときに泊まり込みます。「遅れた内陸」という像を、答えを急がずに確かめ直す、読者の分身です。 劉おばさん(五十六歳)、河南省の村で、夫と、四十アール弱の畑を守る女性。孫の小宝を育てています。口癖は「地に足がついてれば、なんとかなる」。 大偉(三十歳)、劉おばさんの息子。十八歳で村を出て、広東省の工場で働く農民工です。帰って電商を始めるか、都市に残るか、迷っています。口癖は「どこにいても、家族のため」。 小芳(二十四歳)、県城で暮らす女性。学習塾で算数を教えながら、公務員試験の勉強を続けています。口癖は「安定が一番」。 小宝(十歳)、大偉の息子で、劉おばさんの孫。親が遠くで働くあいだ、祖父母と村で暮らす小学生です。 劉おばさんの夫(老劉)をはじめ、村の人びと、同郷の仲間、県城の若者たちも登場します。いずれも架空の人物です。 歴史や統計の説明には巻末に参照資料を掲げ、物語の人物・会話は創作であることを明記しています。終章のあとには、旅行の準備、暮らす・働くための手がかり、実用Q&Aと言葉・マナーの実践編を収めました。 シリーズ「世界の国のリアル」は、土地の歴史と人びとの暮らしを、物語を通してたどる読み物です。

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