ガボンのリアル
万象知楽編集部 / 世界の国のリアル
この本について
『ガボンのリアル』は、架空の登場人物の日常を想像しながら、ガボンの歴史・社会・そこに生きる人びとの暮らしを読む本です。赤道の直下で、降りはじめる前に鳴る雨の音。トタン屋根を叩く白い雨のあと、赤い水が海へ流れていく首都の道。そして、波打ち際まで森が続く海岸に残る、大きな足跡。 この国は「アフリカの小さな産油国」「ランバレネに病院を開いたシュヴァイツァーの国」として語られることが多い国です。本書はその像を否定しませんが、そこで終わらせません。国土の九割近くを森が覆い、国土の一割あまりを国立公園にすると決め、人の大半は森と海のあいだの細い帯の街で暮らしている——それがこの本の立ち位置です。 以下は架空の人物です。年齢は二〇二六年を基準にしています。実在の人物や、特定の証言者をもとにした人物ではありません。 ナディア(二十代後半)、リーブルヴィル生まれ・育ちの女性。石油に関わる会社で事務の仕事を持ち、母と妹、いとこの子とともに暮らす。休みの日にはSNSで小さな商いもしている。 エリック(二十代半ば)、首都育ちの青年。大学を途中で離れ、荷運びや店の手伝いなど短い仕事をつないで暮らす。サッカーと音楽が好きで、ンゴンビの音を取り入れた曲もつくる。 シルヴィ(六十代)、リーブルヴィルの市場で、バトン・ド・マニョク(キャッサバを練って葉に包み、蒸した主食)と燻製の魚を、四十年ほど商ってきた女性。孫がいて、日曜は教会で歌い、家の行事では古くからの作法も守る。 パパ・エマニュエル(年配)、内陸のオゴウェ川沿いの村で暮らす老人。独立の前後を覚えている世代で、畑と川と森の知識を、若い者に渡している。 中原さん(日本人)、森林や木材、水産、環境の保全に関わる仕事で、長年ガボンに通う日本人。この国の自然と人の暮らしに驚き、買う側にいた国の人間として考え込む、読者の分身。 歴史や統計の説明には巻末に参照資料を掲げ、物語の人物・会話は創作であることを明記しています。終章のあとには、旅行の準備、暮らす・働くための手がかり、実用Q&Aと言葉・マナーの実践編を収めました。 シリーズ「世界の国のリアル」は、土地の歴史と人びとの暮らしを、物語を通してたどる読み物です。
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