万象知楽出版BANSHO CHIRAKU PUBLISHING

ブルキナファソのリアル

万象知楽編集部 / 世界の国のリアル

ブルキナファソのリアルの表紙

この本について

『ブルキナファソのリアル』は、架空の登場人物の日常を想像しながら、ブルキナファソの歴史・社会・そこに生きる人びとの暮らしを読む本です。夜明け前の村に響く、木の杵が臼を打つ音。赤い土の道を埋めるバイクの波。ひょうたんの共鳴器を震わせるバラフォンの響き。そして二年に一度、首都ワガドゥグに映画を愛する人びとが集まる夜。 この国は「サヘルの貧しい国」「援助の対象」「危険な国」として語られることの多い国です。本書はその像を否定しませんが、そこで終わらせません。自分たちの言葉で国の名をつけ直し、六十ほどの民族と複数の信仰が隣り合うなかで、冗談と助け合いと長い挨拶という作法を磨き、乾いた土地で雨を待つ工夫を重ねてきた人びとの暮らし——それがこの本の立ち位置です。 案内役の人物と、その会話・心情・個人的な体験・場面描写は創作です。実在する人への取材や聞き取りを再現したものではありません。 登場人物が語る記憶は、実際の体験者の言葉ではありません。人物の意見は、その国の人びと全体を代表するものではなく、歴史的な事実や専門家の見解の代わりにもなりません。 歴史上の出来事、統計、制度などの説明には、本文中の資料番号に対応する参照資料を巻末に掲げています。資料が裏付ける範囲と、物語として描いた部分は区別してお読みください。 本書は、架空の五人の案内役の日々をたどりながら、ブルキナファソの歴史・文化・社会を物語で読む一冊です。アワ(若い世代の女性)、サリフ爺さん(高齢の男性)、マリアム(七十に手が届く年ごろの女性)、イッサ(二十代はじめの男性)、今井さん(日本人)。 近年、国の北部や東部などで武装した集団による暴力が続き、多くの人が住み慣れた場所を離れています。本書は、誰が、いつ、何をしたかを事実として記し、断罪も美化もしません。特定の民族や特定の宗教を、暴力の主語にはしません。フラニ(プル)の人びとも、イスラムを信じる人びとも、被害を受けてきた側にいます。数字には出どころと時点を添え、数え方で幅の出るものは幅のあるものとして書きました。 二〇二二年には、一月と九月の二度、国軍の一部が武力で権力を掌握しました。その後の暫定政権のもとで、政治のかたちは大きく変わっています。本書は、どの勢力も支持せず、非難せず、時点を添えて事実だけを記します。その評価は、この国に暮らす人びとの判断に委ねます。 歴史や統計の説明には巻末に参照資料を掲げ、物語の人物・会話は創作であることを明記しています。終章のあとには、旅行の準備、暮らすための手がかり、実用Q&Aと言葉・マナーの実践編を収めました。 シリーズ『世界の国のリアル』は、土地の歴史と人びとの暮らしを、物語を通してたどる読み物です。

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