万象知楽出版BANSHO CHIRAKU PUBLISHING

中国 上海と江南のリアル

万象知楽編集部 / 世界の国のリアル

中国 上海と江南のリアルの表紙

この本について

『中国 上海と江南のリアル』は、架空の登場人物の日常を想像しながら、上海とその周りの江南(長江の河口の南に広がる、上海・江蘇省南部・浙江省北部)の歴史・社会・そこに生きる人びとの暮らしを読む本です。夜明けの黄浦江、路地の共同炊事場、蘇州の工場の朝礼、義烏の市場のスマートフォン、そして浦東の高層マンションの窓。 この土地は、摩天楼とキャッシュレスの「豊かな中国」として語られることの多い土地です。本書はその像を否定しませんが、そこで終わらせません。豊かさの最前線に光と影が同時にあることに、同じ重さで目を向けます。 以下は架空の人物です。年齢は二〇二六年を基準にしています。実在の人物や、特定の証言者をもとにした人物ではありません。 陳(ちん)さん(三十八歳)、上海生まれ。浦東の高層マンションに、妻と九歳の娘と暮らす、外資系企業のマーケティング課長級。住宅ローンと娘の教育に追われ、口癖は「上を見たらきりがない」。 顧(こ)おばあちゃん(七十歳)、浦西の石庫門(れんが造りの路地長屋)で生まれ育った老上海。亡き夫の写真とともに、共同炊事場のある路地で暮らします。口癖は「昔の上海はね」。 王(おう)社長(五十歳)、蘇州の町工場の経営者。下請けの来料加工から身を起こし、いまは自社ブランドに挑んでいます。息子は上海の会社で働いています。口癖は「一歩ずつ、確実に」。 林(りん)さん(三十三歳)、義烏の小商品市場に店を構える女性商人。スマートフォンひとつで世界のバイヤーと商談します。口癖は「売れないものはない」。 中村(なかむら)(四十二歳)、日本の消費財メーカーから上海に単身赴任して三年になる駐在員。読者の分身として、五人の暮らしを見て歩きます。 ほかに、安徽省から出てきて生鮮宅配の倉庫で働く張さん(四十六歳)、河南省出身で外資系コンサルティング会社に勤める許さん(二十六歳)が登場します。 歴史や統計の説明には巻末に参照資料を掲げ、物語の人物・会話は創作であることを明記しています。終章のあとには、旅行の準備、暮らす・働くための手がかり、実用Q&Aと言葉・マナーの実践編を収めました。 シリーズ「世界の国のリアル」は、土地の歴史と人びとの暮らしを、物語を通してたどる読み物です。

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