ウガンダのリアル
万象知楽編集部 / 世界の国のリアル
この本について
『ウガンダのリアル』は、架空の登場人物の日常を想像しながら、ウガンダの歴史・社会・そこに生きる人びとの暮らしを読む本です。赤道の高原の、ひんやりした夜明け。モスクの祈りと教会の賛美が、重なり合います。 この国は、「アフリカのどこか」、あるいは「独裁の国」として語られることの多い国です。本書はその像を否定しませんが、そこで終わらせません。緑と水に恵まれた高原で、若い人びとが、深い傷の記憶を抱えながら日々を営んでいる国——それがこの本の立ち位置です。 以下は架空の人物です。年齢は二〇二六年を基準にしています。実在の人物や、特定の証言者をもとにした人物ではありません。 ナカト(二十六歳)、首都カンパラで生まれ育った女性。バガンダの人。市場や坂道で布や小物を売り、携帯電話のお金で商いを回す。双子として生まれ、先に生まれた双子の兄がいる。母と祖母に育てられた。いつか、自分の店を持ちたいと思っている。 ムカサ爺さん(七十歳)、ヴィクトリア湖に近い村で、料理バナナとコーヒーの畑を耕す老人。バガンダの人。若い日にアミン政権の時代をくぐり、いまは、妻に先立たれたあと、息子の家族や孫たちに囲まれて暮らす。いとこを失った記憶を、静かに抱えている。 アチェン(五十歳)、北部アチョリ地方の村に暮らす女性。長い紛争の時代を生き延び、いまは、村の再建と、傷を負った若者たちが日常を取り戻すのを、そばで支えている。多くを語らない人。 オケロ(二十二歳)、北部の村の生まれの若者。母と伯母に育てられた。いまはカンパラの専門学校で学びながら、バイクタクシーを走らせて、学費と暮らしを立てている。紛争が収まったあとに育った世代。 杉山さん(日本人、四十代なかば)、コーヒーの生産者と日本の会社をつなぐ仕事で、十年以上、この国に通う日本人。もとは商社の食品部門でコーヒーの買いつけに関わった。自然保全や開発協力にも関わる。外から来る目として、読者の分身の役を務める。 歴史や統計の説明には巻末に参照資料を掲げ、物語の人物・会話は創作であることを明記しています。終章のあとには、旅行の準備、暮らす・働くための手がかり、実用Q&Aと言葉・マナーの実践編を収めました。 シリーズ「世界の国のリアル」は、土地の歴史と人びとの暮らしを、物語を通してたどる読み物です。
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